糸魚川産ピンク翡翠

2020-03-30

今日はピンク翡翠をご紹介。

良質な鉱石が豊富に産出される糸魚川では、緑色の翡翠だけでなく、ブルーやラベンダー色、ピンク色の鉱物が稀に産出されます。

ネフライトや日高翡翠など、翡翠系類似石として「ピンク翡翠」との愛称で呼ばれています。
この鉱石はチューライト、もしくはクリノゾイサイトを含有するためピンク色に発色するといわれています。

緑色の翡翠と同様、現在、採取することはできないことから、流通量は限られ非常に貴重になっています。

世の中に「翡翠」と名付けられているのに、翡翠ではないものがたくさんあります。
中国の軟玉(ネフライト)を翡翠と呼ぶ人もいれば、アベンチュリンの事をインド翡翠。

クリソプレーズのことをオーストラリア翡翠とも呼びます。


先の広報でも紹介させていただいた日高翡翠も、今回紹介しておりますピンク翡翠も、鉱物学上翡翠ではありません。

糸魚川翡翠はちゃんとしたジェダイト(硬玉)ですが、その糸魚川翡翠ですら、いろんな成分が含まれているので、検査の仕方では「これはジェダイトではない」と判断される時があるようです。

実に翡翠の定義は広いもので、それを総称して「翡翠」と呼ぶ場合もありますし、鉱物学上「翡翠」でなければ、それは翡翠とは呼ばないという方もいます。

私は、その定義はこだわらずにいきたいと思います。

その議論に終着点はないからだと思っているからです。

念珠屋さんはアベンチュリンをインド翡翠と呼んでいますが、天然石屋さんでは、それを翡翠と呼ぶことはありません。

しかし、その業界ではそう呼んでいるならば、それはそれでいいのではないかと思います。

私は、こういった論議も楽しんでしまっていいのではないかと思います。

地球が作り上げた、おもしろい鉱物たちの歴史ごと触れあいながら、その個々の美しさも楽しみたいところです。




戻る